
The time is now
An essay published in the Fukui Shimbun-Newspaper, on 28 February 2018 Shichio MINATO I usually simply pass through this route during my commutes by car or bicycle, but today I decided to take the long way and spent over an hour on foot. On this freezing cold morning, the melody to "A Hazy Shade of Winter" - from Simon & Garfunkel - played inside my head. The immense energy harbored by the morning sun created a stark shade of chiaroscuro contrast as it began to apply hues of

エッセー「今しかない」
福井新聞「リレーエッセー つらつら紡ぐ」に寄稿しました。 <2018.02.28 掲載>「今しかない」 美術作家・湊 七雄 普段は車か自転車で通り過ぎるだけの通勤路を遠回りしながら1時間以上かけて歩いてみる。凍てつく寒い朝、サイモン&ガーファンクルの「冬の散歩道」のメロディーが頭に流れる。大きなエネルギーを宿した朝日が明暗のコントラストをつくりながらモノクロの街に彩りを与えていく。 --- 自分は確かに今を生きている。 美しい情景に出会うとき、その感動を具現化し誰かと共有したいという気持ちが湧き上がる。それは偶然見つけた美味しい料理店を、「内緒だよ」なんて言いながら誰かに教えたくなる感覚に似ている。 昨年の春にベルギーに戻り住んだのがつい先日のようだが、帰国予定日が近づき、滞在も残り数週間となった。ここでの生活もあと僅かだと思うと、ごく普通の日常が特別に感じられようになる。「いつでもできる」が「今しかない」となり、時間の捉え方やモノの見え方までもが変わってしまうから面白い。 ここでの一年を振り返るとき「光」が重要なキーワードとなる。窓の照明、水面